GIGAZINEで報じられていたニュース。
gigazine.net 2021年4月30日閲覧
前回の記事で取り上げたのは、禁煙推進派の研究者の論文が、データが疑念ありとの理由で撤回されたケースだった(関連記事)。こちらのケースは、著者の中にたばこ関係者が含まれていたことが、論文刊行後に明らかになったために撤回されている。Retraction Watchでも紹介されている。
- ‘Unfair and unsubstantiated’: Journal retracts paper suggesting smoking is linked to lower COVID-19 risk – Retraction Watch(2021年4月30日閲覧)
両記事の情報をベースに、概要を整理してみる。
撤回された論文と撤回の公知は、次のものである。
- Retraction notice for: “Characteristics and risk factors for COVID-19 diagnosis and adverse outcomes in Mexico: an analysis of 89,756 laboratory-confirmed COVID-19 cases.” Theodoros V. Giannouchos, Roberto A. Sussman, José M. Mier, Konstantinos Poulas and Konstantinos Farsalinos. Eur Respir J 2020; in press.European Respiratory Journal Mar 2021, 57 (3) 2002144; DOI: 10.1183/13993003.02144-2020
撤回理由は、GIGAZINEが報じている通りだと思われる。著者の内2名が、たばこ産業に関連することが明らかになり、論文にCOI上の問題が生じているという。研究内容そのものに問題はないが、コロナ禍であることを鑑みて撤回を決めている。
雑感
コロナ禍でなかったとしたら、撤回されなかったのだろうか?もし、そうであるとするならば、論文撤回も判断する人や社会状況によって変わり得ることを示唆しているようにも思う。