『教養のためのセクシュアリティ・スタディーズ』(風間・他2018)

  セクシュアリティに関する社会学的研究のテキスト。大学での講義やゼミを想定しつつ、さらに幅広い読者を対象としている(p.iii)。目次は以下の通りである。

序章 セクシュアリティを捉える視点
1章 セクシュアリティジェンダー役割
2章 性別の越境
3章 性的指向をめぐる問題
4章 恋愛と親密性
5章 パートナーシップと生の多様性
6章 性と暴力
7章 性の商品化
8章 エイズという問題―その歴史と現在
9章 性的マイノリティが経験する生きづらさ
10章 セクシュアリティをめぐる権利獲得の歴史
11章 クィアスタディーズの視角

  LGBT同性婚、ポルノ、セックスワーク、性暴力など、扱われているトピックは多岐にわたる。セクシュアリティとは何か、セクシュアリティジェンダーはどう違うのかなど、セクシュアリティ研究の軸は複雑である。本書の序章と1章を十分におさえておくと全体像をつかみやすくなるだろう。各章末のおすすめ文献では、文学作品や映画なども取り上げられており、より深い理解に繋がっていくと思われる(関連記事)。