台湾台中市、自宅隔離中の母親が買い物に行き、罰金20万元(自由時報2021年5月18日)

news.ltn.com.tw  2021年5月22日閲覧

 ゴダ@台湾氏のツイートで紹介されていたニュース。自由時報が報じたもの。

 台中市衛生局が「傳染病防治法」違反で罰金20万元を課したとのことである。現在1台湾元が4円弱のため記事によると、自宅隔離に違反した人は、20万元から100万元(約380万円)の罰金が課せられる。外出時間に応じて罰金額が引き上げられる。ただ、この女性の外出は日常的な買い物だったため、最低額だったという。そして、罰金を課したのは抑止力のためでもあったようだ。

 ゴダ@台湾氏のツイートに対する反応をいくつか見てみよう。

 この罰則をどのように見るべきか、判断は一筋縄にはいかないのかもしれない。 

 台湾がコロナ対策の優等生といわれることはよく知られている。そのよう要因として台湾の民主化や人々の団結などを取り上げるような見解もしばしば聞こえてくる。だがこのニュースを見る範囲においては、台湾のコロナ対策は厳罰主義的である。いわゆる「ストリート・レベルの官僚制」(田尾2009)として見ることもできるかもしれない。「草の根」レベルのコロナ対策と表現してもよいだろうか。

 コロナの優等生の台湾に学べという言い方もあるが、厳罰主義的な政策はどこまで学んでいけばよいのだろうか。まずは、こうした事案を追っていく必要がある。

 なお、「傳染病防治法」は全國法規資料庫から閲覧することができる。

参考文献

  • 田尾雅夫(2009)「ストリート・レベルの官僚制」村上弘・佐藤満編『よくわかる行政学ミネルヴァ書房:196-197。