更新2021年10月24日
台湾でどのようなSNSが最もよく使用されているかについてのメモ。
台湾社会変遷基本調査(Taiwan Social Change Survey)の2019年実施データの中に、SNS使用に関する設問が組み込まれているため、集計報告書を確認してみる(台湾社会変遷基本調査は中央研究院社会学研究所が実施している全土サンプリング調査である、対象者は18歳以上)。
表 最もよく使っているSNS(2019年実施のTaiwan Social Change Suvey) | |||
度数 |
%(非該当を含む) |
%(非該当を除く) | |
341 | 17.6% | 21.9% | |
LINE | 938 | 48.5% | 60.2% |
86 | 4.4% | 5.5% | |
2 | 0.1% | 0.1% | |
Weibo/WeChat/QQ | 18 | 0.9% | 1.2% |
YouTube | 145 | 7.5% | 9.3% |
その他 | 11 | 0.6% | 0.7% |
どれでもない | 16 | 0.8% | 1.0% |
非該当 | 376 | 19.5% | ─ |
合計 | 1933 | 100.0% | 100.0% |
(出典)傅仰止・關秉寅・吳齊殷・廖培珊・謝淑惠主編(2020)『台灣社會變遷基本調查計畫第七期第五次調查計畫執行報告』中央研究院社會學研究所(2021年6月9日取得、https://www2.ios.sinica.edu.tw/sc/cht/datafile/tscs19.pdf)の「H4.請問您最常使用的社群網站是哪一個?」(p,305)より寺沢重法作成。DK・NA回答は除外した。 |
調査では最もよく使用しているSNSを1つ尋ねている。非該当を含めた場合も除いた場合も、LINEが最もよく使用され(48.5%、60.2%)、Facebookが続く。この2つが大半を占めている。一方、日本でポピュラーなTwitterはほとんど使われていない(0.1%、0.1%)。 InstagramとYoutubeはそれより若干多い。Wechat(微信)などの中国大陸に関連するSNSもTwitterとほぼ同程度である(0.9%、1.2%)。
この中から狭義のSNSに該当するであろうFacebook、Instagram、Twitterのみで使用傾向を見ると(非該当を除いたサンプルから算出)、Facebookが79.5%(=341/429)、Instagramが20.0%(=86/429)、Twitterが0.4%(=2/429)である。Facebookが主流である様子がうかがわれる。
ただし、この調査では最もよく使用しているSNSを尋ねているため、複数のSNSの使用状況はわからない。また、台湾在来のSNSの使用状況も不明である(その他に含まれている可能性がある)。しかしながら、台湾全土での使用状況を大掴みにしていると推察する。
台湾のネット空間を検討する上で、FacebookとLINEが大きな柱になりそうである。もちろんInstagramなども無視することはできない。
なお、台湾におけるSNSの使用状況は、マーケティングに関する記事でも紹介されることがある。概ねこの調査結果と同じ傾向である。たとえば、以下の記事がある。
www.digima-japan.com 2021年6月9日閲覧
参考文献
- 傅仰止・關秉寅・吳齊殷・廖培珊・謝淑惠主編(2020)『台灣社會變遷基本調查計畫第七期第五次調查計畫執行報告』中央研究院社會學研究所(2021年6月9日取得、https://www2.ios.sinica.edu.tw/sc/cht/datafile/tscs19.pdf)。