台湾で最も重要な歴史的人物は誰か?(2013年)

更新2021年8月3日

 2013年に実施された台湾社会変遷基本調査(Taiwan Social Change Survey)の集計結果をメモ。

 対象は台湾全土、18歳以上、実施主体は中央研究院社会学研究所である。問55に台湾で後世に伝え最も尊敬されるべき人物を1人選ぶという設問が設けられている。蒋経国李登輝孫中山孫文)などが選択肢としてリストアップされ1つを選ぶ(傅・他主編2014:213)。集計結果を以下の表に整理した。

表 後世最も記憶にとどめ尊敬されるべき歴史的人物(2013年実施のTaiwan Social Change Suvey)
  度数 %
毛沢東 11 0.6%
林献堂 22 1.1%
孫中山孫文 727 37.7%
渭水 61 3.2%
周恩来 5 0.3%
謝雪紅 4 0.2%
鄧小平 14 0.7%
蒋中正/蒋介石 106 5.5%
李登輝 166 8.6%
蒋経国 594 30.8%
その他 74 3.8%
陳水扁 12 0.6%
陳定南 7 0.4%
孔子 5 0.3%
誰もいない 121 6.3%
合計 1929 100.0%
(出典)傅仰止・章英華・杜素豪・廖培珊主編(2014)『台灣社會變遷基本調查計畫第六期第四次調查計畫執行報告』中央研究院社會學研究所(2021年7月18日取得、https://www2.ios.sinica.edu.tw/sc/cht/datafile/tscs13.pdf)の「55. 請問您覺得哪一位歷史人物最值得後人景仰和紀念?」(p,213)より寺沢重法作成。DKおよびNA回答は除いてある。

 第1位は孫中山孫文)の37.7%であり、それに第2位の蒋経国30.8%が続く。孫中山蒋経国で少なからぬ部分を占めている。第3位は李登輝である(8.6%)。第2位の蒋経国との差は小さくない。

雑感

  • 本田(2004)には歴代人気総統のアンケート結果が取り上げられ、蒋経国が高く評価されていることが紹介されていた(本田2004:200-205)。2013年時点でも比較的似た結果の印象がある。
  • 日本では李登輝が台湾を代表する歴史的人物として相対的によく知られていると推察するが、台湾における位置づけはいささか異なるのかもしれない。

参考文献