『よくわかる質的社会調査─技法編』(谷富・芦田編2009)

 社会調査の中の質的調査について、様々な技法が紹介されている。インタビュー、フィールドワーク、グランデッド・セオリー・アプローチ、ライフヒストリー法、ワークショップ、アクションリサーチ、内容分析などが扱われる。各調査の理論的背景や心構えよりも、むしろ具体的なやり方を詳しく説明されている。調査対象者とどのようにコンタクトを取るのか、インタビューデータをどう整理するのか、ワークショップを開催するための具体的な話が豊富である。手元に置いておくと便利な一冊である。
 本書の姉妹編に「プロセス編」もある。本書と併読することによって質的社会調査の理解が一層深まるだろう。

※この記事は、北海道大学付属図書館主催企画「本は脳を育てる」に寄稿した紹介文を大幅に加筆修正して再掲したものです。