ペロシ訪台に対する「意見なし」「わからない」をどう見るか

 ペロシの訪台を歓迎する人が52.9%、歓迎しない人が24.0%であるとし報じられている。

www.jiji.com  2022年9月7日閲覧

 調査結果を歓迎するか、歓迎しないかの二つで見比べると、確かに歓迎する人は多数派ともいえるが、私が気になるのは残り約23%の人々である。

 記事が取り上げている世論調査とは台湾民意基金会が2022年8月に実施したものである。

 元の資料の集計結果は以下のようになっている(3頁の図1)。

表1 ペロシ訪台を歓迎するかどうか(n=1035)
歓迎する 52.9%
わからない 4.7%
意見なし 18.3%
歓迎しない 24.0%

(出典)台湾民意基金会の「裴洛西訪台、中國軍演與台灣民意」の図1をもとに寺沢重法作成(2022年9月7日閲覧)。

 特段の意見を表明しない約23%の人々は「わからない」「意見なし」から構成される。歓迎する人は少数派ではないが、だからといって多数派と言い切れるとも限らず、ペロシ訪台に対する台湾の人々の受け止め方は賛否両論のようにも見える。約23%という値は小さいものではなく、一定の層を形成していると推察される。この層をどうみるかが鍵になるのではないか。