台湾の姦通罪違憲判決を報じたいくつかの動画ニュース

更新2021年3月30日
 台湾では長らく姦通罪(通姦罪)が存在してきた。それと同時に姦通罪を廃止すべきとの主張もあり議論が行われてきた(その詳細は宮畑(2016)が論じている)。
 2020年5月末に台湾で姦通罪(通姦罪)を違憲とする判決を下した。これに関しては、以前、本ブログで関連する報道のいくつかを整理したことがある(「台湾における姦通罪の違憲判断をめぐる情報いくつか」)。本記事では、関連する情報として姦通罪違憲判決に関連するニュース動画のいくつかを整理する。
(1)台視新聞 TTV NEWS(2020年5月29日)
 大法官の判決と記者会見の様子が紹介されている。全体で約50分の報道であり、貴重な情報だといえよう。
(2)TTV台視新聞節目(2020年6月15日)
 先の判決を踏まえて、姦通罪の概要や違憲判決に至った経緯、識者へのインタビューなどが収録されている。
 姦通罪違憲判は、台湾における性の自己決定や女性の権利とも関連する重要事案になろう。私見の限り、ここ数年日本で取り上げられている台湾のセクシュアリティに関する議論は、LGBTに関するものが少なからぬ部分を占めている印象がある。もちろんLGBTの動向と議論は重要である。だが、それと同時に、姦通罪などのトピックも視野に入れていくことによって、台湾のセクシュアリティをより包括的に理解することが可能になると推察する。
参考文献
  • 宮畑加奈子(2016)「台湾─姦通罪における男女格差の現状と課題」『法政論叢』 52(2): 173-188。