『火輪』第44号に拙稿「蔣経国に対する評価の基礎的分析」が掲載されました。
台湾の蔣経国総統に対する評価と社会的属性や社会意識などとの関連を、2003年と2013年の台湾社会変遷基本調査を用いて分析しました。
karin-natachan.hatenablog.com 2023年4月25日閲覧
概要と目次は以下の通りです。
概要
台湾の世論調査では歴代総統の中で最も高く評価されているのは蔣経国であることが指摘されてきた。蔣経国に対する人々の評価を把握することは、政治や歴史に関連する意識のみならず、台湾の社会意識への理解を深める上でも重要である。だが、日本では蔣経国に関する情報自体が限られており、学術研究では人物や政策を論じたものが中心だった。本稿は台湾社会変遷基本調査の分析を通じて、空白部分を埋めるための基礎的情報を提供する。蔣経国時代の評価(2003年データ)と歴史上の人物としての蔣経国の評価(2013年データ)のそれぞれについて、社会人口学的属性(年齢、性別、エスニシティ、地域、学歴、職業、収入、宗教)と社会意識(美麗島事件の評価、支持政党、統一支持・独立支持、ナショナル・アイデンティティ、日本統治時代の評価)との関連を確認する。
目次
1.問題設定
1.1.台湾の世論調査における蔣経国の評価
1.2 課題
2.方法
3.分析結果
3.1.蔣経国時代の評価(2003年)
3.2.歴史的人物としての蔣経国の評価(2013年)
4.おわりに
注
参考文献
附録
(出典)寺沢重法(2023)「蔣経国に対する評価の基礎的分析」『火輪』(第44号:6-46)の6頁より抜粋。