更新2021年5月13日
多くの死刑囚に接見してきた著者によるルポルタージュ・ドキュメント。 目次は以下の通りである。
- 序章 死刑に犯罪抑止力はあるか
- 第1章 すべては夢の中
- 第2章 孤独感と殺意
- 第3章 底なしの憎悪、むき出しの悪意
- 第4章 死刑への向き合い方
- 終章 凶悪犯罪に社会はどう対処すべきか
第1章は宮崎勉、第2章は小林薫、第3章は宅間守、第4章では林眞須美、緒方順子などが取り上げられている。
死刑囚が日々どのように暮らし、その中でいかなる心境を抱いているのか、少なくとも私はなかなか見聞きすることはない。ややもすれば死刑囚は、憎むべき人間、厳罰すべき人間であると思われる場合も少なくないだろう。いわば死刑囚に対する厳罰主義である。本書はこうしたイメージを揺るがすものだと感じた。厳罰主義的な人々にこそ是非読んでいただきたい一冊である。