「裁判員制度導入以前における日本の死刑制度の賛否に関する世論の分析」(山本2009)

更新2021年5月31日

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  • 山本博子(2009)「裁判員制度導入以前における日本の死刑制度の賛否に関する世論の分析─JGSS累積データ2000-2001における死刑反対の根拠について」『京都社会学年報』17:67-85。

 本論文が刊行された2009年はちょうど裁判員裁判制度が議論されていた時期である。JGSSの2000年と2001年のデータには死刑に対する賛否に関連する設問が組み込まれており、本論文はこの設問を活用した二次分析の論文である。分析の主要な知見は、死刑制度に対する否定的見解は思想信条に根差す傾向があり、具体的な制度設計が視野から外れる傾向にあるというところであろう。調査時点は今となっては20年近く前である。その間、裁判員制度も定着し、死刑も行われている。現在改めて同じ調査と分析を行うならば、また違った知見が得られるかもしれない。