宗教と自殺容認度の国際比較分析(Stack and Kposowa 2011)

更新2021年5月31日

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

  • Stack S, Kposowa AJ. Religion and suicide acceptability: a cross-national analysis. J Sci Study Relig. 2011;50(2):289-306. doi: 10.1111/j.1468-5906.2011.01568.x. PMID: 21969937.

  デュルケム以来の社会学における重要なテーマであった、宗教と自殺というテーマをに国際比較分析から取り組んだ論文。国際比較調査を用いたマルチレベル回帰分析によって、文脈効果を検証するという、比較社会学の王道というべき研究デザインが採択されている。ただ、本論文が扱うのは自殺容認度であって、自殺そのものではない。自殺そのものを分析するとどのような知見が得られるのかに興味が湧く。私見の限り、日本では宗教と自殺に関する社会学的研究はほとんど目にしない。宗教と自殺に関する先端的な研究を知るという意味でも、また国際比較分析の研究例を知る上でも貴重なものに感じた。