インドにおける婚前交渉に対する態度(Majumdar 2018)

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 インドにおいてどのような人々が婚前交渉に寛容なのかを分析した論文。データはWorld Values Survey(世界価値観調査)の第6波である。結果、婚前交渉に対して否定的な人は、宗教的な人、独身者、左翼的な人であり、寛容な人は高階層の人、教育段階が相対的に低い人が寛容であるという。

感想

 宗教的な人が婚前交渉に対して否定的な態度をとるというのは予想通りに思う。一方、リベラルな価値観の人が婚前交渉に寛容だと想定していたため、左翼的な人が否定的というのは意外だった。社会経済的地位が相対的に高い人と低い人が寛容だというのも意外である。一口に婚前交渉に寛容と言っても、寛容性を共有する社会集団が異なるのかもしれない。インドの社会・文化的文脈をより詳しく把握する必要がありそうだ。