宗教の計量的国際比較研究(Norris and Inglehart 2012)

 世界最大規模の国際比較価値観調査データの1つであるWorld Values Survey(世界価値観調査)を用いた宗教の計量的国際比較研究。

 ジェンダー意識、経済倫理、政治行動などに対する宗教の影響力はどうなっているのか、どう変化したのか、地域によってどう異なっているのか、などが論じられている。  近年の欧米(特にアメリカ)における、宗教の国際比較研究の特徴を知る上でも有益な著作である。読むには宗教の知識や計量分析の基本知識が必要だが、宗教学、社会学政治学社会心理学など幅広い専攻の人々にとって興味深い著作である。

※この記事は、北海道大学付属図書館主催企画「本は脳を育てる」に寄稿した紹介文を大幅に加筆修正して再掲したものです。