2023年12月3日の記事の補足情報。
台湾民意基金会の世論調査(2023年6月)の報告書は、釣魚台は日本領であるという主張に対する賛否の単純集計結果に加えて、その賛否が支持政党、年齢、教育、エスニシティとどのように関連しているのかについても報告している。その結果を見てみたい。
まず、単純集計結果を再度確認する(図7、p.9)。
以下は、年齢、教育、エスニシティ、支持政党との関連である(p.10)。なお、同意する人の割合が単純集計結果の12.2%を超えた箇所については、その数値と該当カテゴリーを赤字にした(関連の強さを意味するものではない)。
(1)支持政党
- 民進党 同意する18.0%/同意しない66.0%
- 国民党 同意する5.7%/同意しない83.0%
- 民衆党 同意する11.0%/同意しない76.0%
- 時代力量 同意する18.0%/同意しない69.0%
- 台湾基進 同意する22.0%/同意しない59.0%
- 中性選民 同意する12.0%/同意しない62.0%
民進党、時代力量、台湾基進に同意する人が多い。
(2)年齢
- 20-24歳 同意する9.4%/同意しない70.0%
- 25-34歳 同意する26.0%/同意しない57.0%
- 35-44歳 同意する15.0%/同意しない70.0%
- 45-54歳 同意する8.5%/同意しない78.0%
- 55-64歳 同意する8.6%/同意しない73.0%
- 65歳以上 同意する6.0%/同意しない73.0%
25-44歳は同意する人が多く、特に25-34歳に多い。その他の年齢層は1割未満である。
(3)教育
- 大学以上 同意する15.0%/同意しない69.0%
- 専科 同意する14.0%/同意しない70.0%
- 高中/高職 同意する14.0%/同意しない74.0%
- 初中/国中 同意する4.5%/同意しない76.0%
- 小学以下 同意する5.3%/同意しない65.0%
高中/高職、専科、大学以上は同意する人が多い。
(4)エスニシティ
客家人に同意する人が多い。
これらの結果を総合的に見ると、民進党/時代力量/台湾基進の支持者、25-44歳、高中/高職以上、客家人には、釣魚台は日本領であるという意見に同意する人が多い傾向があることがわかる(傾向の強弱にはばらつきがある)。ただし、同意する人が同意しない人を上回るパターンは見られなかった。