日本語訳された蔣経国の自著

  • 蔣経国(1975)『わが父を語る:偉大なる一平凡人の愛と不屈の歳月』新人物往来社 

 蔣経国が父・蔣介石について書いた書籍。刊行は1975年である。

 目次は以下の通りである。

  • <詩> 一分間という時間の中で
  • 第一章 反共に奮闘した幾星霜
  • 第二章 平凡な一人の偉人
  • 第三章 共産党の陰謀
  • 第四章 国歌民族のために忍譲
  • 第五章 一方的な和平会談
  • 第六章 風雪に耐えて
  • 第七章 心にしみる寒日の氷水
  • 第八章 父の家庭教育
  • 付・蔣総統名言集
  • 蔣介石略年譜
  • あとがき

 「あとがき」によると、本書は蔣経国の自著である『嵐の中の静けさ』(風雨中的寧静)『危急存亡の秋』を中心とする著作をまとめて日本語訳したものであり、しかも編纂の過程では蔣経国自らが改訂に加わっている(pp.230-231)。

 帯は石原慎太郎東京都知事である。キャッチコピーは「アジア救国の光!!蔣介石総統の風雪八十年!!」で、以下のコメントが寄せられている。

 かつては日本で学び、その一生を中国の革命と救国の戦いに捧げ、今もなお闘いつつあるアジアの巨星、蔣介石総統の風雪の八十年は、情と義に支えられた信義の哲学の体現の歴史でもある。

 その深く温かく激しい哲学は愛息蔣経国氏への手紙の内にほとばしり出てい、読むものに巨きな感動を与えずにはおかない。