「容認される「親による体罰」」(岩井2010)

更新2021年5月31日

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  • 岩井八郎(2010)「容認される「親による体罰」-JGSS-2008による「体罰」に対する意識の分析-」『日本版総合的社会調査共同研究拠点 研究論文集』10:49-59。

  体罰容認意識はどのような要因によって規定されるのかを分析した論文す。特に興味深く感じたのは、親になって体罰を行う人は、かつて体罰を受けた経験のあるという知見である。推察するに体罰を受けた時点では相当な苦痛や不快感を覚える。しかし、体罰というものがある種の通過儀礼のようになって、アイデンティティの形成に寄与しているのではないか。考え方を変えることで状況に適応しようとするのかもしれない。近年問題にさている部活動のしごきやパワハラを論じる上でも貴重な論文であると思われる。