セックスドールとセックスロボットに関するレビュー論文(Döring et al. 2020)

www.jmir.org

  • Döring N, Mohseni M, Walter R Design, Use, and Effects of Sex Dolls and Sex Robots: Scoping Review J Med Internet Res 2020;22(7):e18551 URL: https://www.jmir.org/2020/7/e18551 DOI: 10.2196/18551

  セックスドールとセックスロボットに関する研究のスコーピングレビュー論文。

 近年の技術革新に伴って、セックスドールはより精緻化し、さらにはセックスロボットと呼ばれるものも誕生している。その結果、セックスドール売春宿などの従来のセックスワークとは若干異なる産業も見られるようになった(関連記事12)。

 本論文はセックスドールとセックスロボットに関して、これまでどのような学問分野でどのような研究がなされてきたのかをレビューしている。

 私見の限り、このテーマを包括的に取り上げたものは見かけなかったため、貴重な論文である。以下、論文のどの箇所でどのような言及がなされているのかを、いくつかピックアップして簡単にメモしておく(頁番号はPDF版に記載されたものを使用)。

  • セックスドールとセックスロボットの定義(p.3)。両者の違いが解説されている。もっとも私が読んだ限り、境界線はいささか曖昧な印象を受けた。セックスロボットについては特にAIとの関連が取り上げられてきたようである。
  • レビュー方法(pp.4-7)。5つの検索システムを使用し、十数個のキーワードで検索を行っている(p.4)。抽出された論文にスクリーニングをかけ98篇の論文を選定している(p.6)。
  • 結果(pp.7-20)。分析対象となった個々の論文について、分野や引用件数などがリスト化されている(Table 1(p.8)、Table 2(pp.15-17))。論文発表数の推移も取り上げられている(Figure 3.(p.9))。