『数理社会学の理論と方法』(小林・海野編2016)

  「数理社会学シリーズ」の中の1つ。数理社会学における代表的な理論をわかりやすく紹介している(合理的選択理論、社会ネットワーク分析など)。

 方法論を扱った後半部では、社会調査法や統計解析が取り上げられているが、実験も紹介されているのが興味深く感じた(第7章)。社会学方法論と言えば、量的調査と質的調査という分類が一般的なイメージだと推察するが、今後は、量的研究、質的研究、実験研究という3つの柱になっていくのかもしれない。

 文献案内のコーナーでは、関連する学術雑誌も詳しく紹介されている。文献を紹介するのはしばしば目にするが、学術雑誌を詳しく説明するというのは、私の知る限りあまり目にしたことがない。専門的かつ新しい研究動向を知ることができるため、貴重だと思われる。

 「数理社会学シリーズ」には、本書以外に以下のものが既に刊行されている。本書の刊行含め、充実してきている。