台湾民意基金会が2022年2月に実施した世論調査 では孫文の印象を尋ねている。報告書の中の「8 台湾人の孫中山先生に対する印象」(p.14)である。
質問文は「孫文(孫中山先生)は中華民国を創立し、台湾では国父として評価されています。一般的にいって、あなたの彼に対する印象は良いですか、それとも良くないですか?」。
回答結果は以下の通りである(回答者は1079人)(図11)。
- とても良い 24.4%
- どちらかといえば良い 45.4%
- 良くも悪くもない 5.7%
- あまり良くない 8.2%
- 全く良くない 1.5%
- 意見無/わからない 14.8%
約70%が良い印象を抱いている。
さらに他の変数との関連を分析した結果、性別、教育、エスニシティ、社会階層、政党支持、行政区、都市部・地方部の違いに関わらず良い印象を抱き(20~34歳では約20%前後が良くない印象)、民進党支持者の中では66%が良い印象を抱いている(時代力量支持者と台湾基進支持者も同様)ことが明らかになったと指摘する。
なお、2013年の台湾社会変遷基本調査でも孫文は最も重要な歴史的人物として一位にランクインしている。
全体として台湾における孫文の高評価は比較的安定している可能性が推察される。