超自然現象に対する信念の社会学的研究

 アメリカにおける超自然現象・超常現象に対する信念を調査したオープンアクセス論文。テレキネシやビッグフット、アトランティスなどに対する信念を従属変数とし、それに対する社会人口学的属性との関連を分析している。

 以下、要旨の便宜的日本語訳。

本研究では2020-2021 Chapman University Survey of American Fears(n=1035)を分析した。同調査は、幽霊、ホーンティング、ゾンビ、サイキック、テレキネシス、ビッグフットやサスカッチアトランティス、地球外生命の来訪などの超自然的現象と超常的現象に対する恐怖と信念の検証を目的とした最新の全国調査である。超自然的信念は、他の人口学的特徴と宗教性を調整後に、人種/エスニシティジェンダー、教育でどう異なるのかを検証した。女性は男性よりも全ての非物質的や霊的超自然的現象、アトランティスを恐れたり信じたりする傾向が強い、などの5つのジェンダー差があった。学士以上の人は地球外生命体の来訪、ホーンティング、ビッグフットやサスカッチアトランティスを信じる傾向が弱かった。人種/エスニシティ差が生じる6つの信念と恐怖も明らかになった。本知見は、超自然的現象などの複雑な信念体系がジェンダー、教育、人種/エスニシティと強く関連することを浮き彫りにした。