パーソナリティ・関心・党派性:台湾の大学生のひまわり学生運動参加の要因の分析

 ひまわり学生運動参加者のパーソナリティを分析した論文(オープンアクセス)。ビッグファイブの直接効果・間接効果が検証されている(pp.85-87)。社会科学系学生の参加の多さが特徴的であるとなると、ひまわり学生運動に対する学生の間での意識の違いも重要になるだろう。附録には使用した変数が詳しくまとめられており、参考になる。以下はアブストラクトの試訳。

大学生の政治参加に影響を与える要因は多々あるものの、パーソナリティという要因は長らく目を向けられてこなかった。近年、パーソナリティと政治参加の関連の研究は多くなりつつあり、我が国の大学生の政治活動参加も注目されていることから、大学生のパーソナリティが政治参加にどのような影響を与えているのかというテーマを探求することには大きな意義がある。本研究ではビッグファイブパーソナリティ理論に基づき、ひまわり学生運動後の調査データを使用して大学生のパーソナリティ、政治的関心、党派性がデモ活動への参加に与え得る影響を分析する。知見:パーソナリティ特性は党派性に影響しないが、個人の政治的関心は影響する。パーソナリティ特性は党派性や政治的関心との交互作用を統制すると、大学生のひまわり学生運動参加に直接影響しないが、開放性パーソナリティと協調性パーソナリティは学生のひまわり学生運動参加に間接的に影響する。開放性パーソナリティが高いほど、政治的関心が高くなるため、学生のひまわり学生運動参加に影響し、協調性パーソナリティが低いと、政治的関心が高くなるため、学生のひまわり学生運動参加に影響する。この他に、社会科学関連学科の学生もひまわり学生運動に参加する傾向があった。