12歳以下の台湾の児童を対象とした環境たばこ煙と喘息に関するジェンダー比較分析(Strong and Chang 2013)

更新2021年5月31日

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

  • Strong C, Chang LY. Family socioeconomic status, household tobacco smoke, and asthma attack among children below 12 years of age: gender differences. J Child Health Care. 2014 Dec;18(4):388-98. doi: 10.1177/1367493513496672. Epub 2013 Aug 1. PMID: 23908368.

  台湾で、ETS(Enviornmental Tobacco Somke、いわゆる「環境たばこ煙」)と呼ばれるものが12歳以下の児童の喘息にどう影響するのかを分析した論文。両者の関係はたびたび研究されてきたものの、ジェンダーの違いはあまり研究されてこなかったため行ったという。

 分析の結果、男女ともに共通して喘息に関連するのは、父親の学歴であり、ETSと喘息の関連は男女によっていささか異なる。すなわちETSと喘息の間に有意な関連が見られるのは女子児童のみであるという。
 ETSと喘息といった場合、ETSに焦点が向く傾向にある中で、社会経済的状況に着目する必要性があることを示唆した、という点が本論文の特色だろう。ただし、やはり気になるのは、その背景的要因である。ジェンダー差をどのような変数によってどの程度説明できるのだろうか。論文の刊行年は2013年なので、その後、だいぶ状況は変化している可能性も推察される。