『日本人論の方程式』(杉本・マオア1995)

 日本人論の少なからぬ書籍では、格言、歴史上の人物の言動録、著者の国内外での体験などを題材として「日本人は〇〇である」と評されることがある。

 しかしながら、そうした論拠によって「本当に日本人は日本的である」と評価することは果たして適切なのか?。本書が問うのはこうした論法である。

 社会科学方法論としても重要な書籍ですが、日本文化や日本と海外の比較に関心がある人も様々な比較研究の考え方に親しむ上で参考になると考える。

※この記事は、北海道大学付属図書館主催企画「本は脳を育てる」に寄稿した紹介文を大幅に加筆修正して再掲したものです。