2021-08-07から1日間の記事一覧

『健康格差社会』(近藤2005)

健康格差社会―何が心と健康を蝕むのか 作者:克則, 近藤 医学書院 Amazon 現代日本における格差と健康を論じた書籍。どのように人々の心と健康に不平等が生じているのか。職業やライフコース、学歴、地域などの社会・人口学的要因は健康をどのように規定して…

『戦後台湾における〈日本〉』(五十嵐・三尾編2006)

戦後台湾における〈日本〉―植民地経験の連続・変貌・利用 風響社 Amazon 植野弘子・三尾裕子編『台湾における<植民地>経験─日本認識の生成・変容・断絶』(風響社、2011年)の姉妹編。併読することで、台湾における植民地経験がより一層多面的に見えてきま…

『台湾における<植民地>経験』(植野・三尾編2011)

台湾における〈植民地〉経験―日本認識の生成・変容・断絶 風響社 Amazon 台湾が「親日的」であると言う場合、台湾では日本統治時代が肯定的に評価されていることがしばしば挙げられる。 しかし、そもそも台湾はイメージ通り本当にそうなのだろうか?仮に「親…

『族群』(王2014)

族群―現代台湾のエスニック・イマジネーション (台湾学術文化研究叢書) 作者:王 甫昌 東方書店 Amazon 台湾の社会学者・王甫昌氏による『當代台灣社會的族群想像』(群學出版社、2003年)の日本語訳版。 族群(エスニシティー)概念の説明から始まり、台湾の…

『日本人論の方程式』(杉本・マオア1995)

日本人論の方程式 (ちくま学芸文庫) 作者:良夫, 杉本,ロス・マオア 筑摩書房 Amazon 日本人論の少なからぬ書籍では、格言、歴史上の人物の言動録、著者の国内外での体験などを題材として「日本人は〇〇である」と評されることがある。 しかしながら、そうし…

『「日本人論」再考』(船曳2010)

「日本人論」再考 (講談社学術文庫) 作者:船曳建夫 講談社 Amazon 日本では様々な「日本人論」が語られ、書籍として出版されてきた。古くは『武士道』『菊と刀』などの古典から始まり、概ね高度経済期からバブル期にかけては『「甘え」の構造』『ジャパンア…

『 現代日本の「社会の心」』(吉川2014)

現代日本の「社会の心」 -- 計量社会意識論 作者:吉川 徹 有斐閣 Amazon 調査票調査データを用いて統計的に人々の心を分析する分析視角や方法論などがわかりやく論じられている。今日の社会学における重要な論点である、環境、健康、消費などの意識が幅広く…

『階層・教育と社会意識の形成』(吉川1998)

階層・教育と社会意識の形成―社会意識論の磁界 (MINERVA社会学叢書) 作者:吉川 徹 ミネルヴァ書房 Amazon 社会意識論の重要書。人々の価値観を実証社会学的に分析するとはどういうことなのかを論じている。そのための方法論の論述に紙幅を割き、計量社会学を…