『台灣的社會變遷1985-2005─心理、價值與宗教』(朱・他編2012)

www.ios.sinica.edu.tw  2021年9月5日閲覧

  • 朱瑞玲・瞿海源・張苙雲編(2012)『台灣的社會變遷1985-2005─心理、價值與宗教』中央研究院社會學研究所。

 台湾社会変遷基本調査の分析したシリーズの1冊。宗教や価値観などがテーマである。中央研究院社会学研究所のサイトで目次とイントロダクションを閲覧することができる。

 宗教に関する章を整理する。台湾における道徳観と慈善観の世代・加齢・時代効果を検証したものである(第3章)。祖先崇拝意識(第4章)、地方部から都市部へといった地域移動が信仰にどのよう関連しているか(第5章)、世俗化の検証(第6章)、術数態度と学歴の関係(第7章)が扱われている。
雑感

  • 多様な宗教性を論じていることである。祖先崇拝、宗教に基づく慈善意識、術数など多方面にわたる。第7章は豊富な術数態度が設定されており、圧巻である。
  • 祖先崇拝行動の変容、地域移動と信仰の変容といった、宗教性の変容が大きな論点である。第3章で行われている世代・加齢・時代効果はその代表的分析ではないだろうか。

 同シリーズの中の社会階層に関する書籍については、以下の過去記事で整理した。

shterazawa.hatenablog.com 2021年9月5日閲覧