超常信念に性自認・性表現・女性性・男性性はどう関連するかを分析した論文

 オープンアクセス論文。

 宗教に関連する意識の男女差については多くの研究がなされてきたが、性自認と性表現の視点を加えた分析は斬新である。

 従属変数には以下の6つの超常信念が使用されている(暫定的に訳出)。

  • 「ビッグフット/サスカッチは本物の生物である」
  • 「占い師とサイキックは未来を予見することができる」
  • 「精神で物体を動かせる人はいる」
  • 「現代、宇宙人は地球に来た」
  • 占星術は私の人生と正確に影響している」
  • 「幽霊は存在する」

 アブストラクトの便宜的日本語訳。

先行研究では、女性は男性よりも非物質的超常現象(例:サイキック)への信念を報告する傾向にあることが明らかにされてきた。男性が女性よりも物資的超常現象(例:ビッグフット/サスカッチ)への信念を報告する傾向にあるかどうかについては一貫した知見がなく、超常信念に関する性表現(男性的か女性的か)を検証した先行研究はない。本稿の問いは、性自認と性表現は報告された超常信念にどう関連しているのか?である。カナダ人の大規模サンプル(n=2504)を使用してこの問いに答える。女性性は、未来予見とテレキネシスに関する報告された信念の、シスジェンダー女性と男性間の違いを説明できるが、幽霊への報告された信念ついてはそうではない。興味深いことに、報告された性の非典型性は、シスジェンダー女性間とシスジェンダー男性間における全ての超常信念への報告された信念と関連する。本稿の知見は、科学が検証できない信念に関する性表現を測定する重要性を示している。