更新2021年5月30日
- Jao, J.-C., & McKeever, M. (2006). Ethnic Inequalities and Educational Attainment in Taiwan. Sociology of Education, 79(2), 131–152. https://doi.org/10.1177/003804070607900203
台湾における族群(エスニシティ)と教育達成の関連がどのように変化してきたのかを分析した論文。
族群と社会経済的地位の関係を付言してみる。戦後台湾において外省人と本省人の間の様々な社会経済的不平等はしばしば指摘されてきた。日本において台湾が語られる際にも、こうした族群の不平等が取り上げられることは少なくない。
一方で本論文が指摘するところによれば、台湾における教育達成は族群の間の関連は、むしろ出身階層などによって説明可能であるという。
本論文の焦点は台湾の階層構造の解明である。しかしながら、それのみならず日本における台湾イメージをより深めていく上でも意義深いものであると感じられる。