『謎の島・台湾 別冊宝島127』(1991)

 別冊宝島シリーズの中の1冊。刊行は1991年であり、約30年前の「台湾本」である。書影には「ベンツに乗りロレックスで身をかためる七十万人の社長たちがいる」という言葉がある。

 「第一部 台湾のススメ」「第二部 日本植民統治を再検証する」「第三部 台湾の基礎知識」で構成されている。「第一部 台湾のススメ」には料理、繁華街、不動産、街歩き、芸能などのに関する様々なルポルタージュが収録されている。

 今年の5月には、台北の萬華におけるコロナが報じられた。本書には萬華のポルタージュが収録されており(pp.12-27)、1990年代初頭の様子を知ることができよう。

 私の実感としては、近年の日本のメディアにおける台湾の描かれ方は、総じて明るいように思われる。だが、本書を読む限り、そのようなイメージとはいささか異なる印象を受ける。背景要因は、台湾の変化と考えることもできるだろうし、日本における台湾イメージの変化と考えることもできよう(両方もあり得るし、別の要因も考えられる)。

www.asahi.com 2021年9月10日閲覧