「パチンコ・パチスロをする人々」(谷岡2005)

更新2021年5月31日

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  • 谷岡一郎(2005)「パチンコ・パチスロをする人々-JGSS-2002によるプレイ比率、頻度、そして使用金額に関する研究」『日本版General Social Survey研究論文集[4]JGSSで見た日本人の意識と行動JGSS Research Series No.1』:93-109。JGSSのサイトにあり

 本論文は『ギャンブルの社会学』(谷岡・仲村1997)『現代パチンコ文化考』(谷岡1998)『ラスヴェガス物語』谷岡(1999)『カジノが日本にできるとき』(谷岡2002)等のギャンブルに関する編著作を発表してきた谷岡一郎氏による分析。副題にある通り、パチンコ・パチスロをする人々に着目し、JGSS-2002の分析が行われている。

 分析は男女別に行われている。地域や収入などに加えて、読書頻度やトラウマ経験の有無などの変数との関連も検討されている。男女によって傾向は幾分異なっているという(pp.106-107)。
 興味深く感じたのは、日本社会に向上する機会があると思うかどうかという心理(「向上機会」)とトラウマを経験したことがあるかどうかというという二つの心理的要因との関連性に言及されている点である(pp.104-105)。これらは男女ともにプレイ傾向との比較的明瞭な関連が見受けられ、向上機会をもつ人、トラウマ経験のある人がプレイする傾向にあるという(pp.106-107)。
 パチンコ・パチスロに限らず、他の様々なギャンブルを見る際にも、注目すべき心理的要因だと想像される。
参考文献