更新2021年7月3日
計量テキスト分析のKH Coderというソフトがあり、近年よく使われている(樋口2020)。
元来は日本語解析向けだったのだが、その後、いろいろな言語に対応できるようになってきており、現在は中国語解析機能も搭載されている。実際にどのような分析がなされているのかを、少し調べてみた。試しに「中国」で検索してみたわけである。
khcoder.net 2021年7月3日閲覧
- 袁方・小林義典・安藤俊幸(2016)「KHCoderによる中国特許の分析可能性評価─中国特許分析ツールの精度評価及び分析事例」『情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集』: 77-82。
- 劉莉(2017)「初級中国語総合教科書における話題選択と内容設計に関する実証的分析─『新実用漢語課本』と『中文聴話読写』を例として」『東北大学大学院教育学研究科研究年報』 66(1):159-176。
- 山田眞一(2018)「中国語の芸術系科目における教室談話についての一考察―語彙を中心に」『GEIBUN:富山大学芸術文化学部紀要』 12:50-57。
私の見落としの可能性もあるけれども、中国語教育に関する分析に使用される様子が見受けられる。言語教育という点で連想すれば、中国に関連し得るものもいろいろある(例えば、杉江(2016))。言語教育への応用が一つの方向性なのかもしれない。
非常に貴重な機能なので、中国語を扱う幅広い領域でより一層活用されていけば楽しい(KH Coderを使用した研究のレビューは樋口(2017))。中国語以外の言語を用いた分析も面白そうである。
参考文献
- 袁方・小林義典・安藤俊幸(2016)「KHCoderによる中国特許の分析可能性評価─中国特許分析ツールの精度評価及び分析事例」『情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集』: 77-82。
- 樋口耕一(2017)「計量テキスト分析およびKH Coderの利用状況と展望」『社会学評論』68(3):334-350。
- ────(2020)『社会調査のための計量テキスト分析―内容分析の継承と発展を目指して 第2版』ナカニシヤ出版。
- 劉莉(2017)「初級中国語総合教科書における話題選択と内容設計に関する実証的分析─『新実用漢語課本』と『中文聴話読写』を例として」『東北大学大学院教育学研究科研究年報』 66(1):159-176。
- 杉江聡子(2016)「中国語ブレンド型学習の実践と混合研究法による評価─遠隔交流が創る学びの経験を学習者視点で解釈する」(北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院 平成28年度博士論文)。
- 山田眞一(2018)「中国語の芸術系科目における教室談話についての一考察―語彙を中心に」『GEIBUN:富山大学芸術文化学部紀要』。